猫が吐く原因とは?換毛期・早食い・アレルギー・病気の見分け方と対策方法

相談:猫がキャットフードを吐き戻してしまう

猫田
最近は「猫がキャットフードを吐き戻してしまう」「毎日のように吐いていて心配」という相談を受けることが多くなりましたね。
鈴木さん
猫の吐く行為は初めて見るとびっくりしますし、キャッフードが猫に合っていないのではないか、病気やアレルギーなんじゃないかと心配になります…。
猫田

そうですね。ただ猫にとって吐くという行為自体は問題のある行動ではありません。健康な猫が吐き戻すこともありますし、ある特定の時期にだけ吐き戻しが増えることもあります。

しかし鈴木さんの言う通り、病気やアレルギーの可能性も考えると、よく観察して原因を確かめることは大切です。

吐き戻す原因:毛玉の排出

猫にとっての生理現象

猫にとって毛の排出を目的にした吐き戻しは生理的な現象です。猫は毛づくろいによって被毛を飲み込み、毛玉として便と一緒に排出されたり吐き戻されて体の外に排出されます。

吐き出される場合には胃の中にあるキャットフードと一緒に吐き出されるため、キャットフードを吐き出したように見えるかもしれませんが、毛の量が多ければこれは毛玉を吐き出す際に一緒にキャットフードが吐き出されたと考えてよいでしょう。

換毛期は毎日吐き戻すことも

長毛猫で換毛期のタイミングでは、猫によっては毎日吐き戻すこともあります。知人の長毛猫も換毛期は毎日のように吐いていますが、問題なくシニア期を迎えていますし、健康状態もすこぶる良いとのことです。

換毛期の時期だけ吐き戻しの頻度が上がり、しばらくたつと吐き戻しの回数が減ったという場合には、換毛期が原因であることが多いです。

対処法

  • 毛玉ケアキャットフードに切り替える
  • ブラッシングの頻度を増やす

換毛期や毛玉が原因の吐き戻しの対処方法としては、へアボール対策(毛玉ケア)のキャットフードを与えることが挙げられます。

飲み込んだ毛を吐いて体外に出すのではなく、糞便と一緒に排出されるようにフードで促すことで嘔吐の回数は減ります。

ただ猫は好みが激しく一度替えたことでフードジプシーになられる方も少なくないので、現状のフードを好んで食べているようなら、あまりころころキャットフードを変えるのはおすすめしません。

また毎日ブラッシングをすることで、猫が毛づくろいで飲み込む毛の量を減らせます。まずは毎日のブラッシングから始めて、それでも嘔吐が減らないようならフードの切り替えなどを考えてみてはいかがでしょうか。

吐き戻す原因:消化不良による嘔吐

早食いやフードによる消化不良

消化不良による嘔吐も見られます。例えば猫の内臓は穀物の消化には適していない構造になっているため、穀物の配合量が多いキャットフードには消化不良を起こすことがあります。

また猫はよく噛まずに飲み込む傾向があります。このため早食いで喉に詰まらせたり、消化不良を起こして吐くケースが見られます。

フードの原材料や食べる様子を観察

与えているキャットフードの穀物の配合量が多くないか(第一原料、第二原料が穀物)、またはキャットフードを食べる際に勢いよくガツガツ食べているかなどを確認してみましょう。

対処法

  • キャットフードを切り替える
  • 少量ずつ回数をわけて与える
  • 完全自由摂取方式にしてみる
  • 早食い防止用の皿を使う

心当たりがある場合、キャットフードを切り替える、一気食いをしないように少量ずつ回数をわけて与える、反対に食べきれない量を一日中置いて早食いする必要がないことを認識させる、早食い防止用お皿を使う、などの対策方法をとると吐き戻しが減る場合があります。

キャットフードを変えるというのは、具体的には、穀物の配合量が少なく(またはグレインフリー)、肉や魚原料が豊富に含まれていて、食物繊維が3~7%程度含まれているキャットフードを選ぶとよいでしょう。

吐き戻しの原因:病気やアレルギー

食道炎や腸閉塞、食物アレルギー

最後に吐き戻しの原因として考えられるのは、病気や食物アレルギーです。

猫に嘔吐の症状がみられる病気は非常に多いためすべては書ききれませんが、食道炎や腸閉塞、感染症、中毒、胃腸炎などが代表的なものになります。

また食物アレルギーによる嘔吐も考えられます。

1日が何度も吐く、嘔吐物の色が特徴的

猫が1日に何度も吐いてしまう、下痢や便秘、食欲不振など嘔吐以外に症状がみられる場合は食道炎や腸閉塞など消化器系の病気が考えられます。

またキャットフードを変えると吐かなくなる、皮膚の炎症などもある場合には食物アレルギーの可能性が高いかもしれません。

対処法

  • 動物病院へ連れていく
  • 治療や療法食

病気やアレルギーの場合、必ず獣医に診断してもらいましょう。できる限り早めの診断をしてください。キャットフードを吐いたときの猫の状態もチェックしておくことが大切です。

嘔吐物に血液が混ざっているか、寄生虫とみられる虫が混ざっているかなどを確かめてください。

毛玉が消化器に詰まる「毛球症」の場合、吐こうとしてもうまく吐けない傾向があります。そのときは唾液を流す症状が出ます。気付いた点はお医者さんに伝えます。

アレルギーの場合も症状を緩和させる薬の処方やアレルギー検査、また療法食を与える際は獣医さんに指示を仰ぐことが大切なので、動物病院に連れていきましょう。

キャットフードの吐き戻しの原因。まとめ総集編

猫田

今回はキャットフードの吐き戻しについてまとめてきました。

猫にとって吐く行為自体には問題がありませんが、嘔吐物の様子や、嘔吐以外の症状、猫の様子など、総合的にみて原因を考えることが大切です。

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一般社団法人ペットフード協会ペットフード販売士、キャットフード勉強会ディレクターとして、キャットフードに関する情報を提供しています。また、日本化粧品検定協会のコスメコンシェルジュ資格を有し、ペットフードだけでなく化粧品にも精通しています。販売時に必要な知識となる薬機法などについてもご紹介ができます。 日本化粧品検定協会会員。